NIIGATA PLASTIC RECYCLING CENTER


新潟プラスチック油化センター


新潟市ではプラスチック油化によるリサイクルをこころみることとした。人口 50万人近い大規模都市では初の試みである。

 歴世礦油()は新潟市において50年にわたって工業用潤滑油の製造をおこなってきた企業である。ここで蓄積された生産技術、プラントの運転ノウハウなどを活用するとともに所有地の有効利用を図る観点から、プラスチック油化事業に取り組んだ。廃プラスチックの油化事業は、同社が培って技術、ノウハウは十分に生かせる事業であるとともに今後ますます大きな社会的ニーズが見込まれる事業でもある。とりわけ新潟市をはじめ、各地の自治体が抱えるごみ問題の改善にも貢献できる、社会的意義のある事業として取り組みを始めた。

 同社でのプラスチック油化に関する地道な研究のノウハウが蓄積されたころ、時期良く「容器包装リサイクル法」が公布され、新潟市当局との連携のもと、市内においてプラスチック処理促進協会の技術成果を活用した処理施設が実現することとなった。

 「新潟市プラスチック油化センター」は()プラスチック処理促進協会(PWMI)9596年度に通産省から補助を受けて開発した「次世代廃プラスチック液化技術開発」プロジェクトの成果を取り入れて、歴世礦油()が新潟市平和町に建設した。プラントの設計建設は千代田化工建設()による。1996 11月に完成した。

 このプラントの技術的特徴としては、

1.一廃系多種類の廃プラスチックを油化できる

2.排ガス、廃水等の環境対策を充分に配慮

3.簡略な工程,汎用性のある材質の選定により低コスト処理

4.全自動運転による高度な省力化

が挙げられている。

このプロセスは@押し出し溶融機と分解留出型反応器の2段構成、A熱分解反応器の熱源を生成油のリサイクル流れとする、B生成塩化水素を水で吸収して塩酸として回収、などの特徴がある。

 新潟市内で収集される不燃ごみ(びん・缶・プラスチック)は、年間約33,000トン。このうち20%程度(6,000トン)がプラスチックごみとして分別収集され、ここに持ち込まれる。ゴミ収集車が一日30台分搬入する。

 この廃プラスチック処理の試みは大都市としては全国初のものであり、施設も最大級のものである。順調に廃プラスチックの有効利用がおこなわれるかの成否の一端は新潟市民自身が担っている。この廃プラ処理に合わせて、市内のごみの分別が6区分とされ、これまで不燃物として一括収集されていたものを、びん・缶類とプラスチックとをそれぞれ分けて収集されるようになった。廃プラ処理が順調に稼働するためには市民がプラスチックゴミを出す段階で、金属や紙類を混入しないなど油化処理まで考慮して分別に注意をはらってもらうことが最も重要である。

 

 廃プラスチックは金属、そのまま再生できるものを選別した後,破砕機で粉砕する。

鉄・アルミは各々磁気式、うず電流式選別機で除去される。

処理する一般廃棄プラスチックのうち、大部分は容易に熱分解油化するポリエチレン、ポリプロピレンである。8%が塩ビである。塩ビは熱分解に際し塩化水素を発生し、塩素脱離後も油化せずに直接カーボン残さとなる。PETは選別するものの2%程度は混入している。これもテレフタル酸を発生して油化しない。また。窒素を含むアクリロニトリルやABSはシアンガス発生の可能性がある。

はじめに脱塩化水素機で塩素を除去する。押し出し型溶融器により原料を溶解すると同時に310℃の温度により塩化ビニルから脱塩素をおこなう。押し出し溶融機で発生した可燃性ガスと塩化水素は燃焼炉を経て水で吸収され、塩酸として回収される。

溶融プラスチックを約400℃程度に保たれた「分解留出型反応器」(村田1))で熱分解して、A重油相当の燃料油に転化される。生成油は精製処理、触媒処理の後、貯槽・出荷される。生成燃料油の予定生産量は市内の公共施設で利用される。

搬入廃プラのうち75%が油化原料となる。油化処理により、中質油が55%、軽質油20%、ガス12%、油化残さ13%が生成する。

 

図5プラントの消費エネルギーおよび熱分解過程の理論エネルギー消費である。